博物館 網走監獄
( 分類:博物館 )
- ◇ 訪問日 ◇
- 2019年09月11日
- ◇ 住 所 ◇
- 北海道網走市字呼人1-1
JR釧網本線(石北本線)網走駅からおよそ4km、車で約7分 - ◇ 駐車場 ◇
- 有り 大型車21台、乗用車400台(無料)
- ◇ 備 考 ◇
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[開館時間]年中無休
・8:30~18:00(5月~9月)
・9:00~17:00(10月~4月)
[入館料金]
・大人 1100円、大学・高校生 770円
・小中学生 550円 ※各種割引あり
博物館 網走監獄の入口ゲート。
北海道観光をしたと普通に言うよりも、北海道の網走刑務所に入って来たと言えば、かなりの話のネタになるなと思いやって来た。
網走監獄と言えば、一昔前は「泣く子も黙る怖い場所」というイメージが根付いていたが今はどうなのだろうか。
入口ゲートを通り過ぎると、とても広い駐車場が広がっている。ここだけでも十分に広いのだが、奥に進み裏の方へ回ると更に別の駐車場があるのだ。奥の駐車場は、お土産屋さんの横手になるので、帰りにお土産を買ってすぐ近くに車がある形になるので丁度良いかも知れない。
駐車場から坂を上がって行くと鏡橋と呼ばれる橋を渡る。これは京都五条の大橋に付けられている擬宝珠を模倣して作られた二代目の橋を再現した橋との事で、現存の網走川に架かっている橋をイメージしているのだろう。
橋を渡った先に正門がある。この門も博物館の展示品の一つで、刑務所農場である二見ヶ岡農場の旧正門を再現した物である。
この門の左側にチケット売場があるので、ここでチケットを購入して監獄に入場となる。
館内はけっこう広く、展示施設だけでも全部で22ヶ所ある。中には国指定重要文化財になっているものや、国登録有形文化財になっているものもあるので、じっくりと全部見て回るとなると、おそらく半日以上は軽くかかるだろう。
チケット売場の前に監獄食堂という食事処が建っている。ここではその名の通り実際に網走刑務所で提供されている監獄食を食べて見るという体験が出来るのである。もちろん監獄食以外のメニューもあるので御安心下さい。
丁度お昼だったので入って見ました。私が選んだのは網走ご当地グルメのオホーツクサーモンのザンギ丼。凄く柔らかくて甘辛ダレが美味しかったです!
お腹も満たされたので門をくぐっていざ監獄内へ潜入(見学)です!
まずは網走刑務所の象徴となっている「煉瓦門」。大正8年から5年の歳月をかけて築造された「赤門」とも呼ばれている正門との事だ。
煉瓦門をくぐり最初に見えて来るのがこの建物。
旧網走監獄庁舎で国指定重要文化財になっている建物である。網走監獄の管理棟として使用されていた建物のようだ。
館内にはこんな愛嬌のある可愛らしい人形が立っていた。
これは「ニポポ」と言う網走市の民芸品で北方民族の守り神である。ニポポとは木の小さな子または人形の意味で、どんな願いでも叶えて幸せになるという意味があるそうだ。
この三角の小屋は「休泊所」という仮説の小屋で、なんと場所を移動する度に解体しては組立てるを繰り返して使われる、別名「動く監獄」と呼ばれていたそうだ。受刑者が堀の外に出て日帰りが出来ない作業をする時に寝泊まりする場所として使われていたようだ。中は当時の様子をリアル人形で再現しているが、人形がリアル過ぎてちょっと怖い。
ここは監獄歴史館。
網走監獄に関する歴史的資料や網走に監獄が設置された理由を体感シアター中心に中で紹介している。
北海道の主要道路は、実は120年前の受刑者達の血のにじむ様な労力と、悲しい犠牲のもとで建設された道路なのであったという事実をここで知ります。
監獄歴史館の中に再現された現在の網走刑務所の居室。
ここはリアル人形ではなく、写真パネルが置いてあるのだが、ちょっと仕掛けがしてあって人が近づくとリアルな音声が流れるのだ。共同室はよくある簡易研修施設のような和室の部屋で広さは16畳半、ここに6人が収容されるそうだ。
こちらは単独室。部屋の広さは四畳半という格安のボロアパート並の広さだが、おそらくボロアパートよりは格段に綺麗だろう。原則1人が収容されるそうだが、近年は居住空間向上の働きにより共同室よりも、このような単独室を多くしているそうだ。
次の施設に向かう途中で、畑仕事をしている人たちを見かける。
よく見ると、これもリアル人形だ。受刑者達が農作業をしている風景を再現しているようだ。お疲れ様です!
そんな畑の横に建っている建物は、旧網走監獄 二見ヶ岡刑務所支所
網走湖と能取湖の間に建設され、網走刑務所収容者の食料を担う場所になっている。現存する木造刑務所としては最古の建物になるようで、平成11年にここへと移築されて来たとの事だ。
中はこんな感じで、一昔前の学校のような雰囲気を感じる。ここでも屋内作業の風景をリアル人形を使って再現している。中にはお風呂場までもリアル人形で再現されていた。
木造の牢獄が並んでいる棟がある。
昔の作りは、時代劇で出て来るような牢屋に近い作りだ。中には扉の鍵が開いていて牢獄の中に入って見学する事も出来る。中に入った姿を外から写真を撮ると話のネタが1枚出来上がります!
何やらテレビ撮影が行われるようだ。
後から知ったのだが、実はこれNHKの人気番組「歴史秘話ヒストリア」という番組の撮影でした。中央で座っている女性が番組MCの渡邊佐和子アナウンサーです。題名は「網走監獄 最果ての苦悩」という内容。
(尚、放送日は2019年11月13日 22:30から50分間の番組でした。見た人いるかな?)
次に移動してここは、旧網走監獄 舎房及び中央見張り所。
中央に配置された見張り台を中心に雑居房や独居房が放射状に並ぶ独特な構造の舎房。昭和59年9月まで使用されていた建物で国指定重要文化財になっている。
ここが確か雑居房が並ぶ通路。
こっちが独居房が並ぶ通路だったと思う。
他と違って扉に鉄の板が使われている。
扉が開いている所には、リアル人形が置いてあって、中で作業している様子等を再現していた。
ふと、見上げると。
おや?高い所に誰かいるぞ。
囚人だーー 囚人が逃げたぞーー!
逃げ出したのは稀代の脱獄王と呼ばれた男、白鳥であった。
実際は監視の隙をついてコッソリと独居房を抜けだし、天窓から脱走しようとしている状況をリアル人形で再現している所である。果たしてこの脱獄王白鳥は、このあと脱走に成功したのだろうか・・・
煉瓦造り独居房とその横に並ぶ懲罰房
どちらも監獄内の規則を守らなかったりした場合に、一定の期間入れられて反省を促される場所である。壁に窓が無い真っ暗な部屋なので、入れられた受刑者には、とても辛い部屋であったようだ。
実際に入れられてしまった受刑者がいました。と言っても当然ながらこれもリアル人形での再現です。
扉が開いているので中が見えますが、閉めると光が全く射さない「闇室」になるそうだ。
22ヶ所ある施設から抜粋して紹介したが、それ以外の施設も貴重な文化財ばかりなので、ぜひ一度は訪れてみて頂きたいお勧めの観光スポットである。